バイオフィリックデザイン
人間には、もともと自然を好む「バイオフィリア」という性質があります。また、自然界には植物の豊かな生命力があり、鳥のさえずりや川のせせらぎ、季節ごとの香りや風など、五感に心地よく響くさまざまな要素が調和しています。
自然から離れた都市空間でも、テクノロジーを活用して自然の豊かさを取り入れた空間をデザインし、生産性や創造性、さらには心身の幸福感を高める取り組みが「バイオフィリックデザイン」です。「株式会社清和ビジネス」では、専門家チームと連携し、データに基づいた効果的なバイオフィリックデザインを実施しています。アロマコロジー*を活用し、0.2秒で脳に伝わるとされる"嗅覚"を通じて、自然を感じられる空間をデザインしています。
Biophilic Design Research Partner
Oliver Heath氏
「アロマコロジー」とは、芳香を意味する“アロマ(aroma)”と、生理心理学を意味する“フィジオ・サイコロジー(physio-psychology)”をあわせた造語で、香りの生理心理的効果を科学的に実証し、香りの効果を生かすための「香りの活用術」です。
香りを利用して、
ハッピーな気分を科学的にサポート
専門的な香りの調香や原料の選定のため、世界中から香りの効果に関する研究論文を収集し、専門家チームがその信頼性を検証しています。その検証結果に基づき、リラックス効果や心理状態の向上が期待できる芳香成分を選び、それらの成分を基にグローバルに活躍する調香師が香りを調合しています。また、感性工学に基づく客観的評価をもとに、使用する空間や時間に応じた最適な香りを選んでいます。
「Biophilic Design」の"FOCUS"と"CREATIVE"の香りに使用される原料は、以下の研究結果を基に選ばれています。
・ペパーミント: 記憶力の向上と気分の覚醒(Mark Moss et al, 2008)
・ローズマリー: 記憶の質と補助記憶のパフォーマンス向上(O.V. Filiptsova, 2018)
・オレンジ: 不安レベルの低下、ポジティブな気分の増加(Lehrner et al, 2000)、主観的な注意力・覚醒度の増加(Hongratanaworakit et al, 2005)、疲労度の軽減(Ahmadya et al, 2019)、気分改善(熊谷ら, 2015)
・レモン: 記憶力と集中力の向上(Zhou et al., 2009; Manley, 1993)、心拍数の増加によるパフォーマンス向上(Jellinek, 1997)
・ベルガモット: 主観的にポジティブな気分の変化(Han et al, 2017)
・ヒノキ: 肉体的疲労後の好ましさの増加(Sugawara et al, 1999)、副交感神経活動の増加と主観的快適さの向上(Ikei et al, 2015)
「バイオフィリックデザイン」とは、空間に自然の要素を取り入れ、人の健康と幸福を向上させるデザイン手法のことです。例えば、森に一歩足を踏み入れると、さまざまな植物や自然に囲まれ、豊かな五感の刺激を感じることができます。都市空間でも、室内外の緑化に加えて、自然に近い感覚を提供する五感のデザインが試みられています。
「株式会社清和ビジネス」では、2016年から専門家チームと共に、五感の最適なデザインを客観的な指標に基づいて選ぶ感性デザイン検証*を行っています。空間の目的に応じて最適な五感を組み合わせることで、ユーザーの体験をより豊かにすることができます。
*2019年International Symposium on Affective Science and Engineeringで共同研究を学会発表
Multisensory Integration: Effect of lighting, sound and ambient scenting to support workers’ activities in the presentation room (YANAGAWA et al, ISASE 2019)
人間が音として認識できる可聴域は高域で20kHzまでとされています。「KooNe」は自然の中で聞こえる音を再現し、可聴域を超えた高周波成分を含む豊かな自然音を提供します。
鳥のさえずりや川のせせらぎには、リラックスや集中を助ける効果がありますが、「KooNe」はこれらの自然音に高周波成分を加え、朝から夜にかけて音が変わる仕組みによって、聴覚環境のサーカディアンリズム(24時間周期の体内リズム)を整えます。また、鳥の声が上から、川のせせらぎが下から聞こえるように設計されているため、まるで自然の中で働いているような爽やかな気分になります。
香りと音を融合させた「バイオフィリックデザイン」の効果性
清和ビジネスの提供する「バイオフィリックデザイン」は、植物や光だけでなく、香りや音も取り入れて、自然の豊かさをリアルに感じられる空間を作ります。都市空間では目に見えるデザインが重視されていますが、豊かな森に入ると、すべての感覚を使って自然を感じることができます。感性を重視した高品質な「バイオフィリックデザイン」は、視覚だけに頼るデザインよりも、より効果的であることが研究によって示されています。
香料のグローバル安全基準と拡散技術
使用している香りは全て、国際香粧品香料協会(International Fragrance Association;IFRA)のグローバルな安全基準に沿って製造されています。
国際香粧品香料協会(IFRA)とは、世界の香料原料の安全基準のガイドラインを設定する機関です。IFRAは3000種類以上ある香料原料の安全基準を毎年アップデートしています。日本では空間アロマは雑貨として取り扱われているため、法律上は何の規制もなく販売や設置は可能ですが、多様な嗜好性がある中でも安心して使っていただけるように、私たちの取り扱うアロマは全てIFRAの安全基準に沿って製造されています。そして毎年アップデートされる香料原料の安全基準の情報を調香師がチェックして、常に安心して使える高品質なフレグランスで空間演出をしています。
香料原料の基準だけでなく、香りを演出する空間においても、専門家が空間の換気状況や風の流れを確認した上で、専用ディフューザーで心地よい濃度に設定しています。専用ディフューザーは、香りの体験のクオリティーを高くするために加熱をしない拡散技術で繊細な香りのバランスを保ちながら空間全体をほのかに香らせています。
感性デザインとは?
感性デザインとは、各分野のデザイナーと専門家がチームを組んで視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚を空間やプロダクト、そしてコミュニケーションのデザインに組み込んでいく新しいデザイン領域です。五感による生理機能変化、心理反応、行動変容を数値化し、実証ベースで五感の要素を客観的に判断して、特定の空間や時間のデザインに最適なものを選択します。客観的指標で選択された五感を統合してデザインしていくことで、最終的なユーザーの体験価値を向上させます。
空間デザインとアクティビティーデザイン
を融合させる
感性デザインは、空間とその場の体験を五感でつなげていく働きもします。空間アロマや音響は、空間デザインの要素でもあり、同時に利用者の活動をサポートする五感の要素でもあります。
オフィスの快適性を向上させるだけでなく、働く人がリラックスしながら、仕事に集中したり、五感で脳を活性化したり、コミュニケーションが活性するようにオフィスのバイオフィリックデザインを設計しています。
感性デザイン適応
清和ビジネスのバイオフィリックデザインは、自然界の臨場感を向上させるために感性デザインが適応されています。自然界がもつ絶対的な安心感を五感から感じられるオフィスは、働く人の緊張を緩和し、それぞれの働き方をサポートする環境を提供します。
空間の目的に合わせて施された内装デザインに対して、同一空間でのユーザー体験を最適化する香りを客観的に印象評価し、選択しています。デザイナーや決定者個人の香りに対する嗜好性ではなく、五感の研究機関である KPC が快適性を向上させる空間アロマの評価工程を設計し、客観的に香りサンプルを比較して、最適な香りを選択しています。
五感の研究機関である KPC が香りの原料やそれぞれの香りが想起するイメージの言語分析を行い、感性デザインが施された空間での香りの体験をロジカルに理解できるメッセージ開発を行っています。
アロマの効果性を検証する研究結果の信頼性を専門家チームで評価し、生理機能や心理状態がポジティブに影響する原料を選択しています。アロマの有用性や安全性など利用者の皆さんが安心して過ごせるように清和ビジネス×バイオフィリックデザインの特設サイトを通じて、情報を可視化しています。
香りを使った感性デザイン研修を実施し、体と心の健康をサポートするオフィスの五感設計に関する知識を継続的にアップデートしています。専門家による研修を実施することで、オフィスでの香りに対する有用性だけでなく、多様な働き方に合わせた最適な五感の組み合わせを探求しています。
香りを体験する空間にQRコードが入ったカードを設置。
QRコードより誘導させる特設サイトで香りのデザインを解説。複雑な香りの説明を記憶したり、現場の担当者の方が対応する必要がありません。
オフィスでの香りの有用性についての質問・お問い合わせは、本サイトを通して直接専門家チームが対応します。