PARK WELLSTATE西麻布のアロマコロジー*

香りは脳の感情を司る部分に、たった0.2秒で届きます。そのため、瞬時に気分をリフレッシュさせたり、落ち込んだ気持ちを前向きに変えたりする効果があります。最近では、香りによる刺激で脳を活性化し、認知症の進行を遅らせる研究も進んでいます。
「PARK WELLSTATE西麻布」では、ほのかな香りで空間をより上品にし、お客様が気分をリフレッシュしたり、リラックスしたりできるように工夫されています。これらの香りは、専門チームが科学的に研究し、開発したものです。
「PARK WELLSTATE西麻布」では、一人ひとりが自由に過ごせる豊かな住空間を実現するために、感性デザイン*を採用しています。これは、アート・香り・音響システムなどを通じて五感をつなげ、居住体験を豊かにする設計手法です。
人間の五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)を組み合わせて、空間や人の行動をデザインする方法です。
香りを意味する「アロマ(aroma)」と、生理心理学を意味する「フィジオ・サイコロジー(physio-psychology)」を組み合わせた造語です。香りが心や体に与える影響を科学的に研究し、その効果を生活に活かすための「香りの活用術」を指しています。

空間アロマ
「PARK WELLESTATE西麻布」では、心理学者と感性研究者が空間での活動を支える心理状態を分析し、調香師が香りをデザインしました。また、最適な五感の組み合わせを検証する「感性デザイン」の学術的手法を用いて、空間の香りを選定しています。

館内の図書館では、落ち着いた時間を過ごせるように、アンバーグリスやムスクが安定感を与えつつ、緑の自然を思わせるグリーンとミントの香りが清々しく広がります。「PARK WELLESTATE西麻布」は、森の中にいるような安心感を空間デザインに取り入れ、上品な木の葉の香りがガーデンの植栽と調和し、自然とのつながりを感じさせます。

リフレッシュしてくつろげるスパフロアでは、グリーンティーの優しく落ち着いた香りを中心に、レモンやベルガモット、ミントの爽やかな香りに加え、スズランやローズ、ライラックのフローラルな香りで清潔感を演出します。ラストノートはアンバーグリスやムスクの重厚な香りで、高級感を醸し出しつつ、爽やかさと華やかさのバランスが取れた香りです。
アロマスプレー(個人使用)
「PARK WELLESTATE西麻布」では、専門家チームが学術的な検証に基づいてパーソナルアロマを開発しています。ライブラリーでは、フレグランスカードを使って脳を活性化し、2つのアロマからその時の気分に合ったものを選ぶことができます。アロマは感情や記憶を司る脳に直接影響を与えるため、嗅覚を日々トレーニングすることで認知症の進行を遅らせる可能性があります。また、香りを利用して体のリズムを整えることで、睡眠の質を向上させることも期待できます。香りに関するご相談は、本ウェブサイトのお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

設置されたカードにお好きな香りを1プッシュしてお持ちください。カードのQRコードを読み取ると、アロマコロジーのウェブサイトにアクセスでき、各ブレンドの説明や香りの効果、安全性について詳しく確認できます。しおりの香りは2、3日残りますので、お持ち帰りになってお楽しみください。


香りを利用して、
ハッピーな気分を科学的にサポート
オレンジは大きな太陽を想起するだけでなく、不安レベルを低減しポジティブな気分にさせる(Lehrner et al, 2000)、注意力や覚醒度の増加(Hongratanaworakit et al, 2005)、疲労感の軽減(Ahmadya et al, 2019)、イライラが軽減する・活力が増加するなど気分の改善(熊谷ら, 2015)などが検証されています。 レモンは、記憶力と集中力の向上(Zhou et al., 2009; Manley, 1993)、心拍数の増加によりパフォーマンスが向上する(Jellinek, 1997)などの研究結果が出ています。ベルガモットは、ポジティブな気分へと変化させ(Han et al, 2017)、ラベンダーは副交感神経が優位になりリラックスを促します(由留木ら, 2012)。また、ヒノキはリラックスしながら活力を高めるために加えられています。研究によると、ヒノキの香りは肉体的な疲労を和らげる効果があります(Sugawara et al, 1999)。さらに、交感神経を活性化して覚醒を促すだけでなく(Chen et al, 2015)、副交感神経も活性化させるため(Ikei et al, 2015)、心地よさが増すことが示されています。
レモンは丸く黄色い月を想起させると同時に、記憶力・集中力の向上(Zhou et al., 2009; Manley, 1993)、心拍数の増加によるパフォーマンスの向上(Jellinek, 1997)などの研究結果が出ています。ローズマリーは記憶力の向上(Moss et al, 2003; Filiptsova et al, 2018)、交感神経の活性化(Hongratanaworakit, 2009)、活力の増加やポジティブな気分への変化(Hongratanaworakit, 2009; Sayorwan et al, 2013)が検証されています。また、認知症に対する検証では、朝にローズマリーカンファーとレモンを使用する事例がありますが、Moonlightは月夜にゆったりとした時間を楽しむために、他の香りと絶妙にブレンドされています。
超高齢社会が進む日本では、2020年の認知症患者数が964万人に上り、2040年には65歳以上の高齢者の46.3%が認知症になると予測されています。香りは感情や記憶を司る脳の部分に直接働きかけるため、認知症への効果が研究されています。数ある検証の中でも、今回は認知症の約7割を占める「アルツハイマー型認知症」に香りを使用して、有用性が確認された研究データをご紹介します。
この実験では、高度アルツハイマー病の65例を含む77名の高齢者が対象となり、アロマテラピーが行われました。朝にはローズマリー・カンファーとレモン精油を、夜にはラベンダーとオレンジ・スイート精油をディフューザーで散布しました。その結果、手指名称記憶のテストで明らかな改善が見られました。
「PARK WELLESTATE」のフレグランスは、こうした研究で効果が確認された香り成分をもとに、世界的に活躍する調香師が繊細で上品なブレンドを施しています。
原著論文「高度アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性.神保太樹、浦上克哉.日本アロマセラピー学会誌7(1), 43-48, 2008」
| 対象 | 特別養護老人ホーム入所中の高齢者77例(軽度アルツハイマー病(以下AD)6例、中等度AD6例、高度AD65例) | |
|---|---|---|
| 使用精油 | 朝(9~11時) | 夜(19時半~21時半) |
| ローズマリー・ カンファー精油 4滴 |
ラベンダー精油 4滴 | |
| レモン精油 2滴 | オレンジ・スイート精油 2滴 | |
| 方法 | ディフューザーで散布 | |
| 結果 | 全体のTDAS(タッチパネル式認知機能検査)総点に有意差はみられませんが、認知症の好発年齢である65歳以上群に対する高度AD群のTDAS総点では有意に改善がみられました。 | |
専門家がいなくても短時間(通常約20分前後)で認知機能のタッチパネル式テストができるプログラム。

特許番号:第4171832号(発明者・鳥取大学医学部教授 浦上克哉、准教授 井上仁)
香料のグローバル安全基準と拡散技術
使用している香りはすべて「国際香粧品香料協会(IFRA)」のグローバルな安全基準に基づいて製造されています。
「国際香粧品香料協会(IFRA)」は、世界中の香料原料に関する安全基準を設定する機関であり、毎年3000種類以上の香料原料の基準を更新しています。日本では空間アロマは雑貨として扱われているため、法律上の規制はなく販売や設置が可能ですが、私たちのアロマは全てIFRAの安全基準に従って製造されており、多様な嗜好に応じて安心してご利用いただけます。調香師は毎年更新される安全基準の情報を確認し、高品質で安心して使えるフレグランスを提供しています。
また、香りを演出する空間についても、専門家が換気状況や風の流れをチェックした上で、専用ディフューザーを使用し、心地よい濃度に設定しています。この専用ディフューザーは、加熱を使わずに香りを広げる技術を採用しているため、繊細な香りのバランスを保ちながら、空間全体にほのかな香りを行き渡らせることができます。



作品名:廻 -まわる-
作家:加新 紺
調香:Hiroyuki Taira
「ペロブスカイト太陽電池」は超薄型の太陽光パネルで、軽量であり柔軟に湾曲することが可能です。この技術を活用し、太陽の力で動くアートを制作しました。鉄とペロブスカイト太陽電池を組み合わせたこの作品は、人間の技術と自然とのつながりを象徴しています。また、使用されている香りは、目に見えない太陽や月の光のエネルギーを表現しています。太陽との接触時間によって変わる電力は、作品の動きに反映され、太陽エネルギーの循環を体感できます。
*「マルチモダリティー」とは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚などの感覚刺激を複数組み合わせることを指します。
このアート作品の木材部分には、ライブラリーに設置されている2種類のアロマが使用されています。「Sunlight」は元気な太陽の光を、「Moonlight」は淡い月の光をイメージ。脳を活性化させたり心をリラックスさせたりする科学的根拠に基づいて調香されており、人間の原動力となるエネルギーを香りで表現しています。太陽の光で動くアートに光を表す香りを組み合わせることで、私たちの体と暮らしに必要な電力のつながりを感じる作品となっています。
「PARK WELLSTATE西麻布」では、建築設計の最新技術やCO2削減への取り組みを、日常のアートを通じて体感できる空間デザインが実施されています。
感性デザインとは?
「感性デザイン」とは、各分野のデザイナーや専門家がチームを組み、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚を空間やプロダクト、コミュニケーションのデザインに組み込む新しい領域です。このアプローチでは、五感による生理的変化や心理反応、行動の変容を数値化し、実証に基づいて五感の要素を客観的に評価します。
特定の空間や時間に合った最適なデザインを選ぶために、客観的な指標を使って五感を組み合わせます。これにより、ユーザーの体験をより良くすることを目指しています。
空間デザインとアクティビティーデザイン
を融合させる
「感性デザイン」は、空間とその場の体験を五感で結びつける役割を果たします。アロマや音響は空間デザインの重要な要素であり、利用者の活動をサポートする五感の要素でもあります。
これにより、快適性を向上させるだけでなく、リラックスや集中を促し、脳を活性化させることができます。また、体感から生まれる新しい学びのきっかけを提供するために、アロマコロジーのサービスを展開しています。

感性デザイン適応
五感を活用したデザインの空間は、さまざまな感覚を通して豊かな体験を提供します。これにより、その場での出来事が心に残りやすく、ポジティブな印象を強く与えます。
空間の目的やデザインに合わせて、そこで過ごす人が快適に感じられる香りを選んでいます。香りの選び方はデザイナーや担当者の好みではなく、五感の研究機関である KPCが科学的に調べ、最適な香りを客観的に選んでいます。
五感の研究機関であるKPCは、香りの原料やその香りがどんなイメージを呼び起こすかを言葉で分析しています。また、感性デザインが取り入れられた空間で、香りの体験をわかりやすく理解できるように、論理的なメッセージを作り上げています。
専門家チームがアロマの効果を調べた研究結果を評価し、体や心に良い影響を与える原料を選んでいます。利用者が安心して使えるように、アロマの効果や安全性についての情報はアロマコロジーのウェブサイトで公開しています。
香りを活用したワークショップを開催し、健康や創造性の向上を目指しています。来院する方に香りについての知識を深めてもらうだけでなく、嗅覚を活用した創造性を高めるデザインワークショップも行うことで、楽しくコミュニケーションをとりながら健康や創造性についての交流を深められる場を提供しています。
香りを体験する空間には、QRコード付きのカードを置いています。QRコードを読み込むと特設サイトにアクセスでき、香りのデザインについての説明が得られます。これにより、現場のスタッフが複雑な香りの説明をする必要がなくなります。
香りについての質問・お問い合わせは、専門家チームが直接対応します。